10秒間の観察時間のあとに撮影をはじめてみませんか?

 撮影機材をお持ちになって当サービスでダイビングを楽しんでいただいておりますゲストの皆様に、下記自主ルールを導入しております。

 

ダイビング中、生物被写体に出会ってから10秒間は、ファインダーまたは液晶画面を覗く等、シャッターを切る為の直接的な撮影体制に入ることをご遠慮下さい。(注:一部例外を除く)

 

このルールの提唱趣旨は、生物が皆本来的にもつ互いの間合いに対する緊張や尊厳のようなもの、に対して事実自分達はどんどん鈍感になっているではないかという危惧からです。どんなに小さな生物にも生活があって、当然生命として尊重されるべき間、があります。その意味で被写体に対して認識して数秒で相手に唐突に拳を突き出しながら液晶画面を終始覗きながらシャッターを切るといういつの間にか定番のようになってしまった撮影スタイルは、私達が本来生きてゆけない、陸上に居る時よりも、もっと謙虚な姿勢が求められる海という場所では当然相応しくないですし、どうしても周りの生物の尊厳を無視した威圧的姿勢に見えてしまいます。私は魚の気持ちになることは出来ませんが、もしこれが人同士であれば、時代が時代なら即斬られていることかもしれません。もっと的確に説明しきれない自分へのもどかしさもあるのですが、皆さんともっと撮影と観察を楽しむきっかけとなってくれたらと思います。

 

もし今後も多くのダイバーが手を伸ばせば触れられるような距離にいる数々の魅力的な生物達を、まるで月面にいる宇宙飛行士と交信するように、終始照準が映りこんだ画面越しから見定めシャッターを切り、フラッシュを焚いた途端に去るとしたらとても残念なことです。私達は毛皮や鱗や牙を収集し、キルマークをいくつ増やしたかを記録したり、細切れにしたり剥製にして研究したり、何かしらの名誉を受けるために海を訪れているわけではありません。このような撮影態度は生物を観察する態度とはもともと相容れないものですし、特定の職業ダイバーや研究者を除き、ファンダイビングにおけるフィッシュウォッチングの楽しみとは明らかに逆行するものと考えます。

 

以上の思いがガイドをさせていただいています自分の中で年を追うごとに募り、今回ゲストの皆様へのお願いとなりました。ダイビング中にこの自主ルールから逸脱しているとみられる撮影につきましては、適宜ご案内をさせていただきます。どうかご了承くださいませ。何事にもグレイゾーンは存在します。しかし具体的に10秒お待ちいただき、生の表情や間合い自体をを楽しんだり、構図や露出を思い描いていただくことは、私達ダイバーが育んできたフィッシュウォッチング文化を更にもうひとつ上の段階へ押し上げてくれると自分は信じています。そして今後より一層の素晴らしい海を皆さんと楽しむことが出来たら最高です。ご理解とご協力をお願いする次第です。そして是非、この10秒の時を最大限にご利用いただき、海中生物達の生の感情、息遣いや佇まいを楽しんで頂きたいと思います。

 

注:以下の場合を除きます。

・間合いを感じ、把握した上での電源投入、撮影設定、体勢の立て直しと固定、アーム等の調整、寄りの初動。

・構図や露出、アプローチ等がほぼ決定している状態での想定内の目的生物との遭遇時。

・非常に大型等、単に撮影のみでは重大な脅威を与えないと思われる生物。

・現在進行中の行動が数秒後には終息することが予想され、その行動の記録に強い動機がある生物。

・過去に何度もその種の撮影をしており、生物の行動特徴を理解している被写体。

・その海域において撮影、観察記録があること事態が貴重であることが明らかな生物。

 

                      COLORCODE 塩入淳生

 


器材配送・バッテリーについて

預け荷物重量制限について

国内線におきましても、預け荷物の重量超過については現在、かなり厳しくなっております。国内線ジェットでは20k、離島間プロペラ機などでは15kであることを考えるとダイビング機材一式+撮影機材を一度に超過なしで持込むのは困難です。超過費用はおおむね往復1000~2000円程度です。

フルセット+撮影機材でのツアーでは、往復とも宅配業者さんを利用いただくほうがお得です。

 

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電池・バッテリー等の取り扱いについて

ストロボ、ライト、カメラ内の電池類は必ず抜いた状態、かつ電池類は可能な限り機内持ち込み荷物の方に分けてお持ちください。抜いてあってもライト等の近くに収納した場合、X線では入っているように見えてしまうことがありますので、別々に持込むのが安全です。万が一電池類の爆発、ガス発生等で航空機の運行に支障が出たとき、テロリストと同等の扱いを受けてしまう可能性もあります。ほとんどの場合、事前に宅配業者の方が電池入り機材を発見し、確認連絡、配送方法変更等をしてくださいますが、業者さん側にも相当の精神的負担がかかり、本来必要のなかった電話代や人件費、輸送経路変更等のコストは結局運送料の値上げとなって私達が負担することになります。

 

電池、バッテリーについては、愛用の器材が船便輸送で到着遅れにならないよう、必ず機内持ち込み(ハンドキャリー)してくださるよう、お願いいたします。